PRESIDENT AT LARGE / ソフィア外語学院学院長 / ソフィア外語学院

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底辺校を即座に全国トップ校にした先生の話



 本学院の生徒のみなさんには、以前、中1から高2までオール2だった生徒の成績を即座にオール5にした話をしたことがありますが、これは決して例外的なケースではなく、過去、私の勧める方法で勉強した人は、全員こんな感じになっています。しかし、あまりにも世間で信じられている勉強法やら受験勉強のやり方とはかけ離れているために、なかなか信じてもらえないのが現実で、実行に移す人はまれです。それで、なかなか実行しない人からよく言われることは、「では、なぜ塾や予備校があるんでしょうね?」ということです。こんなことは、書いていいのかどうか迷うところですが、この際、ぶちまけて本当のことを書いてしまいましょう。たまには社会勉強もいいものです。以下は、私の独断や偏見ではなく、多くの塾経営者と話をして、まとめた内容です。

 一般的に言って、塾や予備校は、特に効果はありません。それには、それなりの理由があります。これは塾や予備校が設立され、成長する過程から発生する結果なのです。まず、以前にも書いたように、本当に効果のある教授法を発見するのは、極めて難しいか、または、ほとんど不可能です。従って、特殊な例外的と言える様な塾を除いて、そもそも高い効果は期待できないわけです。もちろん、効果があると言われている塾は存在しますが、その場合の効果と言うのは、実際には、「能力はあるが、勉強を完全にさぼったため、学習事項が理解できなくなった生徒に、尻をたたいて勉強させ、そこそこの効果をあげた」という程度のもので、常識の範囲内の効果となります。具体的には、中3までトップを独走して、一流高校に入学したものの、高校から成績の順位が思わしくなく(中学時代と異なり、全員トップレベルの生徒なので、当然発生するケースですが)、やる気をなくしてしまって、学校でも昼寝をし、家庭学習も試験勉強も一切しなくなり、完全に学習事項が理解不能に陥ったりした場合などです。こういう生徒を中位レベルの大学に合格させるのに成功するというのが、普通の塾での最高の効果で、塾経営者が自分の塾の自慢として挙げる典型的事例です。しかし普通に勉強していれば能力的に可能な成績に戻しただけですから、面倒見がよければ、達成可能な範囲です。ここまでの話をまとめると・・・1)驚異的な効果を出す塾は、まず存在しない。2)生徒の面倒をよく見て、一部の生徒に常識的な範囲の効果を出す塾は存在し得る・・・ということになります。ある塾の経営者の言葉を借りれば、「塾の世界は、祈祷師が医者をやっている様な世界」であり、本当に効果を出す方法は、誰も知らないのです。もっとも、この点は学校の先生も同じですが・・・。

 特に決まった名前があるわけではないので、1を「大きな効果のある塾」と呼び、2を「少し効果のある塾」と呼ぶことにしましょう。そこで問題は、塾や予備校は、全部、2の「少し効果のある塾」に該当するかどうかということです。実は、少し効果のある塾は、かなり少数で、ほとんどの塾や予備校は、ほとんど効果がないのです。なぜそうなったのかが、今回の話題です。まず、始めた当初、塾経営者は、「効果を上げれば、生徒が集まる」と信じています。実際、スタート時点では口コミなどにより、生徒が徐々に増えていきます。しかし、ある時点で増加が止まります。それは効果があると、かえって人に言わないので、口コミが減少するからです。もちろん、人に言う人も存在しますが、その比率が大変減少するのです。それで頭打ちになった自分の塾の状況と大手校の状況を比較すると、塾が大きくなるのには、効果が問題なのではなく、見かけが問題だということに気がつくのです。つまり、大手校は、教育システムやカリキュラム、教室の設備や建物などといったものが、見るからに効果があるかのようにしてあり、それが規模が大きくなった真のノウハウである事に気づくのです。

 この時点で、塾の経営者は、決断を迫られます――よい教育を行うべきか、お金儲けを追求すべきか。よい教育を行えば、教育者としての満足が得られるが、塾は大きくならず、生活も大変になる。一方、見かけ倒しの塾にすれば、塾は大きくなって、お金は儲かるが、教育者としての良心が痛む。塾の経営者の中には、よい教育を選択する人もいれば、お金儲けを選択する人もおり、また、馬鹿馬鹿しくなって、やめてしまう人も出てきます。大手の塾や予備校は、お金儲けの方を選択した塾経営者の経営によるものです。だから、その様な塾や予備校は、すべて見かけ上、効果があるかのように見えるだけで、実際には効果のほとんどない教育をやっています。一方、よい教育を行って、少し効果のある塾は、すべて小規模のままになります。現在、少子化と不況のあおりで、塾の生徒数が減少していますが、それでも大手の塾や予備校の経営者には、本当に教育内容をよくしようという発想は全くありません。

 「見かけもよくして、教育内容もよくするという事はできないのか」という疑問を持つ人もいるかもしれませんが、教育内容をよくすると、口コミが減って、生徒数の減少につながるのでは、お金儲けを目指すことを選んだ塾経営者は、やらないのです。「本当に効果があると口コミが激減する」という事と、「口コミがないところに、いくら広告を出しても、全くむだだ」という事は塾業界の常識になっています。また、教育内容をよくするには、お金も相当かかります。そんなお金があるなら、見かけをよくしたり、広告を多く出したりした方が得策だという判断になるわけです。

 英会話スクールの場合も、塾や予備校と同じ力が作用して、同じ経過をたどりますが、実際には、塾よりかなり状況が悪いです。塾や予備校の場合、いくら内容が悪くても、最低ラインというものがありますが、英会話スクールの場合は、ほとんどが完全なぼったくりのインチキです。その主な原因は、経営者の背景(経歴など)によるもので、英会話スクールの場合、経営者が英語をマスターした人とか、元英会話講師という人がほとんどいないのです。経営者の名前や経歴が広告に出ていないのは、このためです。従って、教え方の基本的なノウハウがなく、どうしたら英語ができるようになるのか全く知らないのです。また、その様な背景を持つ経営者ですから、経営の動機も単なる金儲けです。習いに来る人も、1年でやめる人が大半を占めますから、元々、英語が習得できるわけでもありません。よって、生徒に英語を覚えさせる努力をする必要がないことになります。このため、最初の1年でぼったくるというのが、ほとんどの英会話スクールの基本的な経営方針となります。この様な体質の業界なので、広告の内容は、ほとんど全部でたらめだということは、言うまでもありません。

 また、この様な体質は、英会話スクールだけでなく、一般消費者向けの市販の英会話教材も同じです。TOEICが誕生したとき、英語教育の専門家の間では「これで悪質な英会話スクールや英会話教材がなくなる」と言われていましたが、実際には、TOEICは、かえって悪用されただけで、まじめに客観的なデータ(例えば、平均値など)を提示している学校や教材はありません。調べてみると、TOEICの得点で教育効果をきちんと提示している英会話スクールは、日本全国で本学院一校のみの様です。

 ちょっと横道にそれますが、教育効果というのは、合格者数の様な数値では測定できません。それでは、何人中の何人が合格したのかわかりませんし、その何人中という人数の内容も、選抜された人(選抜クラスの生徒)が含まれていれば、意味がありません。従って、当てになるデータは、選抜クラスの生徒以外の普通の生徒を対象にして、得点が継続的に比較可能なテスト(例えばTOEICの様なテスト)を行って、学力の推移を測定した得点のみです。私も子供の頃は、その辺がわからず、「合格者○千人」という様な広告を見ると、「ものすごく効果があるのかな」と思ったものですが、それは効果とは全然関係がないデータなのです。みなさんもだまされない様に気をつけないといけません。

 さて、塾や予備校、英会話スクールに効果がない理由は、わかって頂けたと思いますが、驚異的な効果を出すことは、全く不可能なことでしょうか?よく「馬鹿につける薬はない」とか「馬鹿は死ななきゃ直らない」とか言いますが、この常識をうち破った人はいるのでしょうか?実は、私を別にしても、実際にはわずかにいます。田舎にある、学力の著しく低い中学校に赴任した数学の先生で、数学に関して、その学校を一挙に全国トップにした先生がいます。しかし、「教え方が変わったことによって、生徒全体が全国最下位レベルから一挙に全国トップになることは考えられない」と見た教育委員会は、「その中学校に突如、数学の天才少年・天才少女が大発生した」と考え、その先生をクビにして、その県内で数学が最もできる先生をその中学に派遣しました。そうしたところ、一挙に全国最下位レベルに戻ったという話があります。後になって、前教えていた数学の先生の教え方にカギがあったことがわかったのですが、教育関係者の間ですら、教え方次第で、驚異的な効果が出ることがあるということが、考えにくいことであるというのは、ちょっと笑いを誘います。その後、その驚異的な効果を生み出した先生がどうなったのか私は知りませんが、その先生の教え方は、この世から永久に消えてしまった様です。

 欧米でも昔、ガテグノ(C. Gattegno 1911-1988)という教育心理学者がいて、驚異的な教育効果を生む教授法を考案したことは有名です。この人の教授法で教えるクラスでは、ただの凡人が、わずか数分で天才的な学習能力を発揮する様になるらしいです。この人の場合、本を書いていて、今でも読まれていますし、大学で使う教科教育法のテキストにもたいてい紹介されていますが、この人の教授法を実践しているという話はあまり聞いたことがありません。

 この様に驚異的な効果を上げる教授法は、少数ながら存在しますが、実際には、なかなか世の中に広まらず、ほとんど実践されていません。そして、一方、ほとんど効果のない塾や予備校、英会話スクールが世の中にはびこっています。この根本的な原因の一つは、世の中の人が、良い教育と悪い教育の区別がつかないからだとも言えます。たとえて言えば、「深海ザメのエキス」と「本物の薬」の区別がつかない様なものです。祈祷師と医者の区別がつかないと言ってもいいでしょう。そして、この背景には、強大な影響力を持つマスコミや宣伝広告などが教育に関して間違った知識を広めて、状況をさらに悪化させているという問題があります。世の中の人を啓蒙して、正しい知識を広める人が現れない限り、永久にこの状態は続くのではないかと思います。

(2002年12月17日)

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